ワスレナグサにこめて…



愛花に言われて自分のケータイをチェックする。



「ほんとだ、お父さんから。ちょっと出るね」


「うん」



……


「もしもし?」


『柚か?』


「そうだよ、どうしたの?」


『大丈夫かな、と思ってな』



照れた様子が想像できる。



「うん、大丈夫」


『そうか。病院から電話があったんだが、もしこれから痛みがきたら深呼吸するといいそうだ』


「りょーかい。もう行かなきゃだから切るね」


『気をつけて帰ってくるんだぞ』


「はいはい」




プチッ



「お待たせ、食堂行く?」


「柚?ちょっと聞こえちゃったんだけど、"病院"って?"痛み"って何?」


「……っ!なんでもないよ、ちょっと頭痛がするだけ〜」


「ふーん、じゃ、行こ」



愛花は疑いつつしぶしぶスルーしてくれた。


隠し事なんて、少し後ろめたいけどね…


エレベーターに乗り、2階まで下りる。


食堂には、4人用から10人用くらいまでたくさんの椅子が用意されていた。


バイキング制になっているらしい。


班ごとに座る決まりだから和稀達の姿を探す。


……みっけ!