ワスレナグサにこめて…




ん?


そういえば……



「でも『1つだけお願いがあるの』で終わってたぞ?」



そう。手紙は変な終わり方をしていた。



「そっか……」



愛花はどういう意味か分かったみたいにクスッと笑った。



「その花はね、“ワスレナグサ”」


「……うん?」


「花言葉は“私を忘れないで”」



え……


やっと分かった。


柚の本当の願いが。



「わりぃ、ちょっともっかい手紙読んでくるわ」


「いってらっしゃい」



愛花と別れて静かな場所を探す。


成人式の会場を出て少ししたところにベンチがあった。


俺はそこに腰掛け、手紙を出す。