ワスレナグサにこめて…



私達の修学旅行の班は、私、愛花、和稀、そして和稀の友達の律(リツ)君となった。


律君とはあまり話したことないけど、けっこう楽しそうな人だし、これを機会に少しは話せそう。



「愛花、いろいろよろしく〜」


「それはいいけど…。柚、担任に呼ばれてたよ。何やらかしたの?」


「え⁉︎な、何もしてない……」



全然心当たりはなかったが、とりあえず先生の姿を探す。


でも、教室のどこにもいなかった。



「職員室、行ってくるね……」


「がんば〜」



愛花は笑顔で手を振っている。


もぉ〜他人事だと思って!


私は少し怒ったフリをしながら職員室に向かった。



「失礼します」



職員室に入って先生を探す。


……、いない。


職員室の入り口で戸惑っていると、職員室の奥にある応接室から先生が見えた。


あそこのソファーはふかふかでとっても気持ちいいんだけど、何で応接室?


不審に思いながら応接室へ入って、先生と向かい側のソファーに座ると先生が話し始めた。