ワスレナグサにこめて…




「柚ちゃんのご家族の方ですよね?」


「はい……」



柚のお父さんが返事をした。


すると看護師さんが何通かの手紙を差し出した。



「これは柚ちゃんが残した手紙です。お母様に1通と、お父様お姉様で1通です」


「柚が手紙を…」



看護師さんから手紙を受け取った柚のお母さんとお父さんはすぐに封を開けた。


そして読んでいくうちにボロボロと泣き始めた。


……私は、いつの間にか涙は止まっていて、その光景をただ…見つめていた。


看護師さんがふとこちらを向く。



「あなた達にもあるのよ」



看護師さんがふわっと笑って私と和稀に手紙を渡す。