ほんとはね、そんな約束できない。


守れるわけがない。


でも、約束という言葉で繋いでおきたかった。



「だ、よな…。泣いたりしてごめん」



和稀もハハッと乾いた笑いを見せる。



「うん。じゃあ…おやすみ」


「おう」



手を振って和稀が帰るのを見送る。


和稀が見えなくなってから、やっと病院に入った。



「ウッ…」



堪えきれなかった涙が溢れる。


私だって、死にたくないよっ…!


来年も、再来年も、こうしてクリスマスを迎えたいっ……



「ちょっ!柚ちゃん!?」



座り込んで泣いていた私に、神崎さんが駆けつけてきてくれた。



「とりあえず、部屋戻ろ?」



神崎さんに背中をさすられている間も、ずっと涙は頬を伝っていた…