「和稀や皆んなと居られて、とてもよかった」 「ん。俺も柚と入れてよかった」 「これ…」 私は和稀のほうを向いてバッグの中からしおりを取って和稀に差し出した。 「しおり?」 「うん。大事にしててほしいの…」 「絶対。一生持っててやる」 「ありがと…」 私が微笑むと和稀も笑った。 「帰ろっか」 「うん」 「ほら」 心の中でキレイな世界にさよなら、と言って和稀の差し出された手を握る。 手を繋ぐこと。 これがいつまでできるかな…