「残念ですが、後半年くらいでしょう」
「は…?」
白い天井、白い壁。
お医者さんが座る椅子と資料がたくさん積んであるテーブル。
そんなほぼ何も無いと言っていいような部屋に呼ばれた私とお母さん。
部屋に入って、またいつもの
「もうじき暑くなってきますねぇ」
くらいの雑談くらいだと思っていた私は真剣に話を聞いていなかった。
するとお医者さんはあの言葉。
お母さんは泣き始めた。
しばらくして、やっと状況を理解しだしてきた私。
「私、死ぬの……?」
そう言うとお医者さんは俯いた。
私は、小さい頃にお父さんが他界している。
お母さんをおいていくことになるってこと…?
「柚(ユズ)さんは心臓の病気です。治療することもできますが、そのため学校にはすぐに行けなくなります。どうしますか?」
お母さんは、
「あなた次第だよ」
という目で私に視線を向けてきた。
私は迷わなかった。
「治療は…受けません。ギリギリまで学校で楽しみたいです。」
それが、2日前のことーーー