「…――列車が入ります。白線よりお下がり下さい…」


そういえば…


私は電車に乗りながら、ふと思い出した。

あの女の子…
初めて現れたのは、あの曲をダウンロードした後だった。

あの時聞こえた声――

「…探して…」


あの子の声かも知れない。

それでは、あの曲に何かあるという事なの…?



電車を降り、駅からの道を歩きながら考えていた。

「ただいま」


ガシャ―ン!!

「な、何事?」


リビングから父と母の怒鳴り声がする!!

夫婦喧嘩なんて珍しい…

近寄らない様にしないと…ダイニングから入ろう。


ダイニングに入ると、もう喧嘩は終わっていた。


インテリ同士だから、話しがこじれると面倒な事になるみたいだ。

とりあえず、私は静かにご飯を食べよう…


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