「もう!!
一体何なのよ、腹立つ――!!」
私はお尻を払って、立ち上がった。
あれ?
さっきの人、携帯電話を落としてる…
携帯電話が開いたままの状態で、道路に転がっていた。
拾い上げた瞬間、私は驚いて携帯電話を落としてしまった。
こ、この携帯電話、画面が真っ赤だ…
まさか!!
い、いや、そんな筈はない…
気を取り直して再度拾い上げると、男性が走り去った方向を見た。
既に姿も形もない…
仕方ないので、並木通りと大通りの交差点にある、交番に届ける事にした。
交番に向かう途中も、嫌な予感が脳裏を過ぎる…
交番はもう目の前だ。
.



