この絵は確か、英文科の山岸さんが書いたと聞いた…
私はその足で、直ぐに英文科の棟に行ってみた。
講義中だからなのか、誰も歩いてる人がいない。
待つしかないのか…
その時、少し離れた場所にある講義室の扉が開いた。
講義室の中から人が出て来た。
あれは…
高等部からの、エスカレーター組だ。
「涼子…ねえ、涼子!!」
「誰?
講義中なんだから、大声で呼ばないでよ…」
彼女はそう言いながら、こちらに振り向いた。
「あ、順子じゃない!!
凄い久しぶりだね~
で、英文科に何の用なの?
私はトイレに行くとこなんだけど…」
「あ、あのね…
山岸さんに会いたいと思って…」
彼女はなぜか、凄く怪訝そうな表情をした。
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