「ちょっと、待って下さいね…」


ん…?

彼女は携帯の待受画面を見て、明らかに表情が変わった。

「あ、あの…
どうかしましたか?」

「い、いえ…
ま、真っ白な画面だから…」

「ああ、色々と訳有りで…

あっ!!
この曲です【one】」


彼女は曲名を見ると、直ぐに言った。


「それ、曲名が違いますね。

【ワン】って、頭文字だけ大文字で【One】なんですよ」


え――!!
そ、そうだったのか…

「良い曲なのにな…」



私は彼女に、この曲を再生して聞かせた…


アコースティックギターの繊細なメロディに、男性ボーカルの透明感のある声…

いつ聞いても心に響く。


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