2人共、なぜか無反応で黙り込んでいる…
しかも明らかに、怪訝な表情を浮かべている。
そして2人は顔を合わせ後、小夜子が口を開いた。
「あのね、私達にはその画面…
真っ白にしか、見えないのよ…」
え――!?
そ、そんな筈は!!
動揺する私に、智子が声を掛けてきた。
「そんなに焦らなくても、その画像を削除すればいいんじゃない?」
そうだ!!
確かに削除してしまえば、この忌まわしい画像から逃れられる――
混乱する余り、私はそんな単純な事も思い付かなかった。
私は急いで、あの画像を削除した。
「ふう…」
何だ…
こんな簡単な事だったのに、取り乱さなくても良かった。
あれ…?
たった今、確かに削除したのに…
もう一度削除――
き、消えない?
絶対に携帯電話の操作は間違えていないのに消えない!!
いやこれは…
消せないと言うべきかも知れない――
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