「順子――!!」
佐知子が先に着いていた。
本屋の横にある赤いエレベーターを上がると、カラオケボックスの受付がある。
本当に久々のカラオケだ。最近のヒットソングなんてほとんど知らない…
受付を済ませると薄暗い通路を通り、一番奥の部屋に案内された。
一番手は私。
少し前にヒットした曲を何とか歌い切った。
やっぱり、大きい声を出すのって気持ち良い。
でも、佐知子が歌い始めると、そんな気分なんて吹っ飛んだ。
響き渡る少し高い声、情感溢れる圧倒的な歌唱力…
私は聞き入ってしまった。
少し奇抜な服装をする事もあるけど、オカッパ頭で基本的に余り目立たない方だけに、かなり驚いた。
.



