ここは母の勤務する、北山総合病院――
皆良くしてくれるし…
何より嬉しい事は、母も時間が空けば会いに来てくれる。
退院間近のある日…
私は母に用事があり、脳外科の副部長室に会いに行った。
ドアを開けようとした時、室内の話し声が聞こえたきた。
「…――先生、しかし見事だったですね!!
娘さん、頭部損傷で記憶が全て消えて、復元なんて絶対無理だったのに…」
「偶然よ偶然…
前日、あの人と共同で作った研究室で、記憶をバックアップしていたのよ。
あの人はバックアップデータを…
私は本人を受け取る事で話が着いていたから。
あの人が記憶をバックアップするシステムを研究していたし、私が脳神経外科の医者だったから出来たのだけれどね…」
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