「…――次のニュースです。
今日未明、北山市に住むフリーターの野口純也さん20歳が、何者かに首を絞められて殺害さているのが見付かりました。警察は…」
「全く物騒な世の中ね…
今月に入って市内で２件目の殺人事件よ。犯人まだ捕まらないの？」
私はソファーに寝転び、パンを片手にテレビを見ていた。
「順子!!
あなた大学行く時間じゃないの？」
「うん。
今出るところ～」
危ない危ない…
母は小言が長いから、早く出ないと。
私は慌てて立ち上がると、鞄を持って玄関に急いだ。
「順子、あなたまたそんな格好で!!
あなたも女の子なんだから、少しは可愛い洋服来て――
順子!!
聞いてるの!!」
「行ってきま―す」
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