佐知子は、鉄パイプで私の頭をこづきながら話した。
「本当はね…
あの4人に近付いたのは、私なの。
メンバーの関係が上手くいってないって、聞いて知ってたからね。
だから、教えてあげたの…
盗作の噂を流せば、今のボーカルは辞めなければならなくなるよ――ってね!!
あの4人さ、真に受けて本当に実行するんだから…
笑っちゃうよね。
あははははは!!」
「佐知子…あんたって人は!!」
ガン!!
私は鉄パイプで、後頭部を強く打たれた!!
「うるさい!!
あんたに何が分かるの!!
お嬢様のあんたに、田舎の文房具屋の娘の気持ちが分かる訳がない!!
私は田舎の貧乏暮らしなんて、ずっと嫌だったのよ。
有名になって、あんな家もこんな街も、全て捨てて出て行きたかったのよ!!」
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