私はもう一度、【one】を流した…



「山岸さん、聴いてこの曲を!!

この曲は桜井さんが最後に作った曲…
あなたの為だけに、最後の最後に作った曲よ。

この曲のどこに、人に対する恨みの念が入っているの?


あなたに対する想いをこんなに込めた曲が書ける人が、誰かを恨んでいたと思えるの!!」



「う…うるさい!!」


「それに…
それに、この曲の譜面の裏には――

あなたが自分の無念を晴らそうと、メンバーを恨む様な事がなければいいが…



そう書いてあったわ!!」



男の子はその場に立ち止まり、天を仰いだ――



あ――…


男の子の背後の空間が、淡く光り始めた。


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