長い廊下を1歩1歩進む――
C棟の各部屋は使用されていない為、ブラインドが下ろされていて窓から光が入らず。普段から他の廊下より暗い。
しかも外は今にも雨が降りそうな雲行きになり、廊下は昼間とは思えないほど暗かった…
それにあの男の子はまだ、私達の生命を諦めた訳ではない。
私達は周囲に気を配りながら、ようやく部屋の前まで来た。
名前の無い部屋…
ここに山岸さんが隠されている。
私はドアに手を掛けたまま呼吸を整え、一気に扉を開けた!!
暗い室内――
ブラインドから漏れる外からの僅かな光で、窓際だけが少し明るい…
目が徐々に慣れてきて、次第に室内がよく見える様になってきた。
暗い部屋の一番奥に、人が入れる大きさのロッカーが置いてあった。
山岸さんは、あの中に入れられているのだろうか?
私達はゆっくりと、室内に足を踏み入れた――
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