私達は北山女学院大学までの道を、手を繋いで歩いた――
私は不安と安堵感とが入り乱れ、複雑な心境だった…
20分程歩くと、
山岸さんの待つ北山女学院大学の校門に着いた。
創立記念日で休講の為、学生の姿は見えない…
「この敷地内の、一体どこなの?」
「確か、こっちだったと思う…」
佐知子は無言のまま、私の手を引いて行った。
こっちはC棟…
山岸さんの絵が飾られてる場所だ。
C棟に着くと、佐知子は2階へと上がって行った。
「この廊下の、突き当たりの部屋よ…」
C棟の1階部分は講義で使われる事があるが、それ以外の部分は殆ど使われる事がない。
ここの学生ですら、まず立ち入る事がない場所だ。
いつも静かなC棟だが、今日は休講で更に静寂に包まれている…
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