キャンパスの絵――
ただのキャンパスの絵なのに…
なぜか強く魅き込まれるその絵は、透明感と神秘的な静寂が編み込まれている様で、私は暫く立ち止まって見ていた。
「その絵は、山岸さんが書いたのよ…」
不意に背後から声がした。
突然の声に驚いて振返ると、英文科の女性助教授が立っていた。
「山岸さんって…英文科のですか?」
「そうよ、よく知ってるわね。
彼女は高等部の頃から美術部に在籍していて、色々なコンクールに入選してるのよ」
そう言えば、高等部の頃そんな話を聞いた事がある。
こんな絵が書けるなんて、一体どんな人なんだろう?
約束の時間が近付いてきたので、私はその場を後にした。
.



