「それから暫く何の連絡も無く、その話の事も忘れかけた頃、やっと連絡があった…
ボーカルが辞めたから来てくれって。
言われた場所に行くと全員集まっていて、メンバーの紹介と今後の活動についての説明を受けたの。
その時に前のボーカルが辞めた理由を聞いたんだけど、誰も教えてはくれなかった…
私がその理由を知ったのは、暫くしていつもの練習場に山岸さんが怒鳴り込んで来てからだった。
彼女は泣きながら、嘘つきとか人殺しって叫んでいた。
それも毎日…
そしてあの日――
精神的にも肉体的にも追い詰められていた山岸さんは、メンバーに言った。
『インディーズレーベルに【盗作疑惑】という嘘の情報を流して、ボーカルを殺したグループを本当にデビューさせるのか!!』
と怒鳴り込みに行くと――
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