半泣き状態で懸命に話す私の姿を見て、見る間に佐知子の目に涙が溢れてきた。


「ずっとね…
ずっと辛かったの…

もし誰かに相談したら、その人を巻き込んでしまうのではないかと思うと、今迄誰にも話せなかったの…


順子の携帯を見た時に話したかったんだけど、もし話してしまうと――」


佐知子は私の肩に寄り掛かって、暫く泣きじゃくった。

そしてひとしきり泣いた後、少しずつ話し始めた…


「あれは、3ヶ月程前だったか…

私が大学の友達とカラオケボックスに行っていた時、突然男性が部屋に入って来て、話を聞いてくれないかと…


その話と言うのが、『【G】の新しいボーカルにならないか?』という話だったの。


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