本町駅に着き改札を抜けると、目の前のベンチに既に佐知子が座っていた。



「順子――!!」

佐知子の方から、私に声を掛けてきた。

相変わらず元気だ…


私は軽く手を挙げて応えた。

「佐知子――!!」



佐知子は私の腕に絡みついて言った。

「ねえねえ、何を食べに行こうか?」


いつもの様に、無邪気にはしゃいでいる。

「じゃあ…
図書館の近くにあるピザ屋にでも行こうか?」

「お―!!」


私達は駅を出て、図書館の方向に歩き出した。



佐知子は大学の話や、昨日実家に帰った時の話を一生懸命していた。


私はいつ話を切り出そうか…

そればかりを考えて、話の内容は殆ど聞いていなかった。


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