私は桜井さんの母の気持ちが落ち着くまで、ここで待つ事にした。
暫く酒屋のレジの横に座って考えていると、点と点が線になって見えてきた。
「もう、私の事は良いから行きなさい。
ありがとう…」
背後から、優しい声が聞こえた。
桜井さんの母に別れを告げ、私は店を出た。
そしてその足で、私はスタジオGIGに行く事にした。
ここから路地に入れば、すぐ目の前だ…
私は心配して待っているオーナーに、今まで分かった事を知らせてあげたかった。
それに、気になる事もあったし…
路地に入り、5分も歩かないうちにスタジオの看板が見えてきた。
暗い階段を下りると、私は重い入口のドアを開けた。
「こんにちは」
中に入ると、通路のベンチにオーナーが座っていた。
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