これだけ分かれば十分だ。
私は山岸さんの母親に、必ず見付ける事を約束、し御礼を言って彼女の自宅を後にした。
次に目指すのは、桜井さんの実家だ。
桜井酒店は山岸さんの自宅前の通りを、駅前通りに向かって歩いて行けば分かるとの事だった。
当然私は桜井さんと面識はないが、何故だかどうしても、自宅に行かなくてはならない気がしていた。
駅前通りが目前という所まで歩いてきた時、右側に桜井酒店の看板が見えた。
しかし…
いきなり見ず知らずの人間が訪ねて行って、話を聞かせてもらえるのだろうか?
不安な気持ちのまま、とにかく私は桜井酒店に入った。
「はい、いらっしゃい!!」
声の大きい少し太めの中年女性が、店内で商品を揃えていた。
この人が、桜井さんの母親だ。理由は分からないが、私にはそれが分かった…
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