茜さんはテーブルに両手で頬杖をつくと、私を見ながら言った。
「私ね、一度だけ北山女学院に潜り込んだ事があるの…
山岸さんの事を調べにね。
でも、当然の様に誰も何も教えてくれないし、何の情報も掴めない。
さすが御嬢様学校だけあって、セキュリティは万全ね」
あの怪しいキャップの人は、茜さんだったんだ。
「それでね、私はもう調べるのを止めたの…
もうこれ以上調べる手段も無いし、生命も大事だしね。
これはあくまでも私の勘なんだけど、多分その女性ボーカルで全てが終わる。
そうしたら、私達の呪縛も解けるのではないかと思うのよ。
私達に危害を加えるつもりなら、いつでも可能だしね…」
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