スマホの着信音がけたたましく鳴る。
職場からだった。
「リノちゃん、出勤大丈夫?」
「いけるわよ」
「二十時から予約入ってるから。いつもの竹下さん」
「わかったわよ」
もう何年になるか、デリバリー風俗の仕事を初めて。
いや、考えるまでもなく六年とわかるのだが。
短大を卒業してから実家のコロッケ屋を母のために渋々手伝っていたのだけれども、野心家の私がパン粉と格闘する地味な仕事を毎日続けていりゃさ、ノイローゼになるってもんで、その当時、ちょっとした時間でサクッと大金を稼ぐっていう仕事のスタイルがイケてるとテレビで発信されていたのに影響を受けた二十四歳の私は、取敢えず手っ取り早く金を稼ぐ方法を探し始め、なんと三日で高収入バイトをすりゃいいじゃん、と閃いて家出したのだった。
当時付き合っていた彼氏にわりかし開発されていたのと、高校生時代にやっていた女子高生専門のイケない秘密の個人商売で慣れていたので、いや、どちらも人生の黒歴史ゆえ、大きな声では言えないが、そっち関係の仕事も抵抗なくできてしまったわけだった。
こういう貞操感のない女、男は嫌いなんだろうけど、実際問題、女ってやつはアレが嫌いなやつのが少ないのさ。
考えてみりゃ、気持ちいいんだから、そりゃそうだ。
あとはプライドの問題ってやつ。
先々の余裕のある生活ができるなら、一時期のプライドなんざ捨てちまって当然さ。
自尊心を破壊できないやつってどこいっても出世とかしないもんだ。
職場からだった。
「リノちゃん、出勤大丈夫?」
「いけるわよ」
「二十時から予約入ってるから。いつもの竹下さん」
「わかったわよ」
もう何年になるか、デリバリー風俗の仕事を初めて。
いや、考えるまでもなく六年とわかるのだが。
短大を卒業してから実家のコロッケ屋を母のために渋々手伝っていたのだけれども、野心家の私がパン粉と格闘する地味な仕事を毎日続けていりゃさ、ノイローゼになるってもんで、その当時、ちょっとした時間でサクッと大金を稼ぐっていう仕事のスタイルがイケてるとテレビで発信されていたのに影響を受けた二十四歳の私は、取敢えず手っ取り早く金を稼ぐ方法を探し始め、なんと三日で高収入バイトをすりゃいいじゃん、と閃いて家出したのだった。
当時付き合っていた彼氏にわりかし開発されていたのと、高校生時代にやっていた女子高生専門のイケない秘密の個人商売で慣れていたので、いや、どちらも人生の黒歴史ゆえ、大きな声では言えないが、そっち関係の仕事も抵抗なくできてしまったわけだった。
こういう貞操感のない女、男は嫌いなんだろうけど、実際問題、女ってやつはアレが嫌いなやつのが少ないのさ。
考えてみりゃ、気持ちいいんだから、そりゃそうだ。
あとはプライドの問題ってやつ。
先々の余裕のある生活ができるなら、一時期のプライドなんざ捨てちまって当然さ。
自尊心を破壊できないやつってどこいっても出世とかしないもんだ。
