三十路バンドギャルの憧憬邪心LOVE Grail

当然、私の奢りである。

無一文の求職者にお金を出させるほど女々しい風俗嬢じゃないわよ。

おまけに私の手料理付きフルコース。コロッケ屋の娘はコロッケだけなら作れる。

私のコロッケを口にして、彼も、「これ、スッゲーうまいですよ。手作りコロッケなんて何年ぶりだろ。アイコさん料理上手なんですね。おれ、料理上手な人がタイプなんです。何だか、アイコさんとなら、この先うまくやっていけそうです」などと言って笑顔になり私の頬もほんのり赤くなる、はずだったのだが。



 「どう? 美味しいかな?」

 「美味しいです」

なんとも事務的な棒読み回答。

てめぇはアンドロイドか? 

まだまだ緊張で表情が硬いのか笑顔を見せない。