三十路バンドギャルの憧憬邪心LOVE Grail

見た目はいかにも少女漫画の主人公っぽい眼鏡の好青年。

お前の恋の病気、僕が治してあげるよ、などと言ってくれないかしら。

少女漫画を夜な夜な読み耽り、中学生で自慰行為を覚えた私は、ああいう展開に滅法弱いのだ。

女だったらみんなそうだろ? 

夜にやらしいオペを始めるぞ! と鼻血が出そうなのを堪えながら、もう半分以上こいつと暮らそうとも思いながら話していくと、学生ならではの条件ってやつが出てきた。


夜遅くまで勉強するのでその環境だけはなんとか用意してほしい、と言われた私は、深夜のロンリーヴィジュアル系ロックフェスが封印されてしまう危機を迎えた。


このハイツは六戸建てで二階角部屋の私の部屋と、対角になる一階角部屋の一〇一号室しか入居しておらず、夜中に音楽を聴いても近所迷惑にならないのがよかったのに、私からヴィジュアル系という名の幻想領域、非日常空間を奪ってしまうと忽ち風俗ストレスにやられて憔悴してしまうだろう。


だが、この好青年とのセックスを短期間でもいいので味わってみたいと思った私は、家庭教師モノのAVのように白々しく胸元を肌蹴させた。


寄せて上げたCカップだ。

これで勃起は確実か?

 「いつも誰かが傍にいてくれたら安心。女の独り暮らしって怖いのよねぇ」

 「この部屋じゃ、プライベート感がなさすぎかなぁ」

彼はやんわりと私の攻撃を回避した。

クソ!