三十路バンドギャルの憧憬邪心LOVE Grail

入ってすぐの廊下の右側にお風呂と洗面所、トイレ、その向かいに六畳の洋室のドアが二つあり、廊下の突き当たりにリビング、その奥には和室を無理やり洋室に変えた、


炬燵、テレビ、ゲームがある六畳間がある。

本棚に囲まれたそこは漫画を読むための、私が作った匠の空間である。

兄の影響で中学時代にオタクになってしまった私は、BL系や少女漫画は基本として、男性向けの作品を好むようになっていた。


それらはV系と並んで私の脳みそのベースになっているといってもいい。

尤も、本来の私は根暗でオタクになりやすい性質なのだと思う。

この反作用で高校時代の闇期が到来したとしても間違いではない。

やっぱ仕事終わりはアサヒビールを飲みながらテレビをつけてバラエティ番組をBGM代わりにして漫画を読むことだぜ、と最近買ったホラー系の漫画を手に取ろうとして思い直す。


違う、もう三十になったのだ。

どうにかして華を咲かせなきゃならん。

何だろう、三十年も女やってきてここで何か一つ大きな達成をしなければ、このままずるずると平坦な生活を繰り返しそうな気がしてくるのだ。