状況がつかめないまま、3人の話を聞いていると、最初から薔薇園へのお出掛けはこのメンバーで行くと決まっていたらしい。
――つまり、知らなかったのは私だけ。
勝手に黒王子と2人きりだなんて馬鹿な勘違いをしていたのも、私だけ。
『――何、俺とデートだとでも思ってた?』
「~~~ッ…!!」
終いには、その事実に呆然としていた私に気づいた黒王子から、耳打ちで冷やかされる始末。
最悪……ッ!
図星を突かれて顔を真っ赤にするしかない中で黒王子を睨みつけるも、フッという鼻にかかった嘲笑で流される。
コイツ…っ、絶対ワザと私に何も教えなかったな…!
最初から私をからかうために仕組まれていたことだということに気づき、私の怒りのボルテージは最高潮。
「ちょっとアンタ、人をバカにするのもいい加減にッ――」
『待った待った!何で会って早々ケンカ腰になってんの。』
初めて会った時みたいに黒王子に詰め寄っていた私を押さえたのは、白王子。
どうどうと、爽やか笑顔を浮かべながら私を宥めようとしてくれている。
……まるでデジャヴ。

