キッチンに足を踏み入れた私は、早速朝食作りを始める。

ついでに、修哉さんとおじいちゃんの昼食も作っておこうと、冷蔵庫から具材を多めに取り出した。

仕事でお疲れの修哉さんに、休日まで家事をやらせるのは気が引けるしね。

ご飯の炊き出しを終えた私は、お味噌汁を作るために、鍋のお湯を沸騰させながら豆腐を切り始めた。


おじいちゃんは家事を全くしない人だから、家の事は私と修哉さんの2人で切り盛りしている。

私の担当は、朝・昼のご飯と洗濯。修哉さんは家の掃除と、夕ご飯の支度だ。

一応こんな風に割り振ってはいるが、実際はお互いに手伝いながらやっている。


『――おはよう、遥ちゃん。』

「あ、おはよー!」

『ご飯作ってくれてるの?…俺も手伝うよ。』


――こんな風にね。

いつもより少し遅めの起床をした修哉さんが、私のもとにやってきて、お味噌汁を作る鍋に冷蔵庫から取り出した出汁を入れる。

手が空いた時には、必ずと言っていいほど修哉さんはこうして手伝ってくれる。もちろん料理も、洗濯も、時には私の勉強も見てくれたりする。


「修哉さん。」

『ん?』


切った具材を鍋に投入し終えて、沸騰している鍋の火を止めてお味噌を入れている修哉さんに、今日のことを話す。


「今日、私出かけてくるね。」