「今度写真撮るときは本人達の了承を得て撮るんだよ。」
『はぁ?何言ってんの?』
きっと、知らない間に写真を撮られていることも王子2人は知らないんだろうなと思うと少し不憫に思えてしまう。
諭すように、遠回しに盗撮はやめようねと言う私を、明日香は顔をしかめたまま睨みつけていた。
『せっかく先輩から送ってもらったのにー。』
「あ、そうなの?」
あの写真、明日香が盗撮したヤツじゃなかったんだ。
それが分かった時、じゃあ私がさっきの写真消しても、あまり意味なかったってことじゃん。と少しばかり早とちりを冒してしまった自分に反省。
この明日香の言い方では、王子達の盗撮画像は学校内で流出しているらしい。
『……それで、遥はどっちがタイプなわけ?』
「えっ?」
消えてしまったものは仕方がないと、意外とあっさりとした反応を見せた明日香は、突然そんな話を切り出してきた。
イマイチその話にピンと来ていない私に向かって、まさかあれほどの情報を聞いておいて、どっちでもいいなんて言わないよね?と明日香はニヒルな笑顔を浮かべている。
……怖。

