盗撮って、ダメなんじゃないの?普通に。
……ということで。
『無愛想な黒王子のフォローをする白王子のその健気さって言うのがね、また女子たちのハートを――』
ピッ!
『え、何してんの!?』
「ん?消去だけど?」
迷うことなくゴミ箱のスタンプを押した私は、"消去しました"という文章を映し出したスマートフォンを明日香に返す。
その画面を見た瞬間、明日香は何じゃこりゃあ!?と女子高生とは思えない声を上げていた。
「え、だって盗撮は犯罪でしょ?」
『ちょっとアンタねぇ!これ入手するのにどれだけ苦労したかわかってんの!?』
殴る、思いっきり殴ってやる、と言いながら鬼のような形相を浮かべる明日香を、なんとか押さえつける。
私に向かって天高く挙げられた明日香の震える拳を沈めさせた私は、ごめんと言いつつも心の中では全く反省してなどいなかった。
盗撮は良くないでしょう。私、何か間違ってる?

