『まぁねー。私も結構割引してもらったけど、それでも本体価格は4万くらいしてんじゃないかなぁ~?』
「よっ……4万ッ!?」
到底高校生じゃ払えないような金額に、箸で摘まんでいたプチトマトがポロリとお弁当箱の中にダイブした。
いくらバイトしてるとはいえ……明日香って、すごい。
驚愕しすぎて、固まるしかない。
『ちょっと、驚きすぎじゃない?そんな大金、一括で払うわけないでしょ?月契約よ!』
「そ、そうなんだ…。でも、修理ってなったらもっとかかるってことだよね?」
お金のことを考えたら、食欲が滅入ってしまったようで、一向に箸が進まない。
私のお小遣いって精々5千円だしなー。
修哉さんに借りるわけにはいかないし……。
『そのスマホ、最新機種だったんでしょ?』
「た、多分…明日香がこの前見てたカタログに載ってたヤツと似てたし、…買ったばかりのヤツってあの人、言ってたし。」
――全て私の記憶が正しければ、の話だけどね。
『最近買った奴なら、修理代って結構格安になってるはずだけど。』
「そうなの!?」
『うん。』
絶望的な私に差し込んだ一筋の光。
どうか……修理代が破格ではありませんよーにっ!
明日香の言葉で少し復活した食欲を抑えるようにご飯を食べ始めた私に、お弁当を食べ終わった明日香が口を開いた。

