「美味しいですね、この筍ご飯。他の料理も絶品です」
いただきますをしてすぐに口を開いたのは白王子。
筍料理が好きなのは本当のようで、パクパクと食べている。
おじいちゃんみたいな高齢の人が好むのはわかるけど…筍が好きなんて、白王子も渋い好みを持ってるのね。
これは王子コンビ好きの明日香への土産話に最適だ、と心の中でほくそ笑む。
「よかったね、遥ちゃん」
「ん?…う、うん」
不意に隣から声をかけられて、とりあえずうなずいておく。
やばい、やばい。
ぼーっとしてて、3人が話していた内容聞いてなかった。
「もしかして、この料理、石川さんが作ったの?」
「ま、まぁね。でも、私一人で全部ってわけじゃないよ。修哉さんも手伝ってくれたし」
「え…藤井さんって料理もできるんですか?」
「ん〜…手伝う程度にね」
羨望の眼差しを白王子から向けられて恥ずかしいのか、こめかみを掻きながら謙遜する修哉さんが可愛く思える。
私も自慢のお兄ちゃんを褒められて、ちょっと心が浮ついた。
「何言ってるの、修哉さん。私が寝坊した時は朝ごはん作ってくれてるし、いつも新しいレシピ教えてくれるじゃない。修哉さんの方が料理上手なのは間違いないしね」
「もう、よしてくれよ、遥ちゃん。俺は、遥ちゃんが家事を負担に稽古を思う存分できなくならないように手伝ってるだけなんだから」
え…私のため?
てっきり、ただの料理好きがこうじて手伝ってくれてるのかと思っていて、心の中で驚いていた。

