「みんなー!休憩はここまで!稽古するよ!」
道場に入ってすぐに号令をかけると、白王子の周りを囲っていた子どもたちは、稽古の定位置に集まった。
「じゃあ、修哉さん。後はよろしくね」
「ああ、遥ちゃんも何かあったらすぐ声かけて」
「うん。ありがとう」
道場の入り口で修哉さんと別れ、私は整列している子どもたちのもとに足を進める。
「遥先生ー!修哉先生も稽古するの?」
「修哉先生はお客様の相手をするためにここにいるだけです。稽古はしません」
「「「ええー!?」」」
主に女の子たちからブーイングの嵐。
大人気だもんね、修哉さん…。
これもわかっていた反応だ。
「でも、みんながちゃんと稽古していたら、修哉先生が来てくれるかも?」
「「本当にっ!?」」
「はい、雑談はここまで!気をつけー!…礼!」
「「「お願いします!」」」
子どもたちの稽古を担当し始めて3年。
だんだんと、彼らの心を掴むフレーズがわかってきたように思う。
始まりの号令を終え、早速稽古に取り掛かった。

