「ちょっと、黒王子」
「あ?」
子どもたちに囲まれている白王子には声をかけられそうにもないので、黒王子に近づいた。
「こんなところまで付き合わせちゃってごめんなさい。頃合いを見て、いつでも帰ってくれて構わないから」
「そんなこと言ったって、アイツが帰るそぶり見せねぇから帰れねーんだよ」
黒王子から返ってきた冷ややかな視線に、いたたまれなさが募る。
う…そんなに睨まなくても。
それにしても、一人で帰って良いところを、ちゃんと白王子もつれて帰ろうとするあたり、なんだかんだ思いやりのある人なのか?
「ご、ごめん。白王子にも頃合いを見て帰るように伝えるから、退屈だろうけどもう少し辛抱してください」
「別に。お前だけのせいじゃねーし」
そ、そうですか。
黒王子を巻き込んでしまった事実を否定できないため、下手に強気なことは言えない。
ここは一旦退散して、私は胴着をきてこよう。
「遥先生〜!まだー?」
遠くで子どもたちから呼ばれ、私はすぐに着替え室へと向かった。

