『ゴメンゴメン。…まさか斗真がこんな早くに来てくれるなんて思わなかったからさ。』
「え?」
あまり白王子の言っていることの意味が分からなくて首を少し傾げていると、白王子は慌てて弁明する。
『斗真はサボり癖がひどくてね、あんまり生徒会室には顔を出さないんだ。』
え、でも…昨日も黒王子、ここから出て来たけど?
その時、扉が閉まる音がして、背後に黒王子の気配を察した。
『そんなことねーだろ。…重要な案件の時はちゃんと来てるだろーが。』
『俺はいつも、呼ばれたときは来て欲しいんだけどね?』
白王子はそう言ってにこやかに私に同意を求めて来るけど、私は曖昧な笑顔しか返せない。
いや…ね?って言われましても、そんなこと知らないし…。
『…で、石川さんを呼び出したのって、斗真でしょ?』
『……ああ。お前を呼んだ覚えはないけどな。』
うわっ…冷たい言い方。
相変わらずの態度に、白王子はもう慣れているのかなんのその。
にこやかな微笑みは崩さず、むしろ何だか楽し気だ。

