『――どうぞ。』
にこやかに微笑む白王子に促され、生徒会室の中へと一歩踏み入れる。
この笑顔…私がここに来たくなかったと思ってたなんて、絶対思ってないだろうなぁ…。
「ねぇ、今日はどうして私が呼ばれたの?また、昨日の件?」
昨日、白王子から聞かされたのは、委員長に就任したからと言って、今すぐ始動しなくちゃいけないわけではないってことだったけど…。
今日も呼び出されたってことは、その件しかないよね?
『ああ、それは斗真が来てから――』
ガラッ
白王子が口を閉ざす前に開いた生徒会室のドア。
『珍し…。』
「?」
入ってきた人物を見て固まっている白王子を不審に思い振り返れば、そこにはいつもの仏頂面した黒王子。
『…人をこの世のものでもないような目で見んな、颯太。』
切れ長の瞳が、私を通り超えて白王子を睨みつける。
相変わらず、愛想のクソもないヤツだ。

