『だったらいいじゃない。』

「……良くないよ。そっちはよくても、生徒会の方が――」


そう。

剣道部の方はなんとか落ち着けるところに落ち着くことができたけど、問題は生徒会の方。


『ああ、9月の遠足実行委員長、だっけ?』


昨日のことを全部話している明日香は、何でもない顔でそういうけど…私にとっては一番気が重いことで。


『まさか遥が実行委員長だなんてねー…』

「いや…本当よ。なんで、私がそんな大それたもんに…」


いくら黒王子の気まぐれといっても、これはやりすぎではなかろうか。

まだ一人で実行委員長を全うするならまだしも、取り締まり役に黒王子も行動を共にすることになるなんて…。


「最悪…最悪だぁ……」

『ああ、ああ。やっと顔上げさせたのに、またつぶれちゃったよこの子。』


またまた机の上に倒れ込む私の頭上から、明日香の呆れ声が零れた。