黒王子は不器用な騎士様!?




『――遅い。やっと来たのか。』


数秒、白王子と互いに見つめあっていると、白王子の背後からにょきっと出て来た黒王子。


『え?斗真が石川さんを呼んだの?』

『そうだけど、何。』

『いや、別に……。』


目の前で行われる白王子と黒王子の会話。

性格は別として、やっぱり2人が並ぶと絵になるなぁ…。

今日は、河上さんはいないのか。


『じゃあ、あの件は石川さんにってこと?』

『ああ。コイツが適任だろ。』


――ん?

滅多に見れない生徒会室の内部に気を取られて、白黒王子の会話を聞いていなかったために、すっかり2人の会話についていけていない私。

あの件って…何だ?

また、嫌な予感が私を襲う。


『……まぁ、俺は別に構わないけど…本人次第、ってとこじゃない?』

「え…?」


ジロジロと白王子に値踏みされるように見つめられて、頬が引きつっていくのが分かる。