黒王子は不器用な騎士様!?




行きたくはないが、行かなければならない。

そんな複雑な気持ちを抱きつつ、なんとか生徒会室前までやってきた私。


ドア越しに、人の話し声が聞こえてくる。

どうやら、今は会議中のようだった。


……おいおいおい。

会議を遮ってまで、中に入れるわけないじゃないか。


ど、どうしよう…。


誰もいない廊下で、目の前にそびえ立つ生徒会室のドアが、一際大きく見える。

ここで何も言わずに帰るのは、さすがにいけないだろう。

でも、会議が終わるまで待つのもちょっとな……。


左腕につけている腕時計を見れば、4時30分を指していた。

今日は、道場が5時から開くから、その時間までには帰りたいのが本音だ。

道場の子ども達の指導も、おじいちゃんに頼まれてるし。

まぁ、私がいなくても、おじいちゃんが道場には絶対いるから、大丈夫っちゃ大丈夫だけど…でも、おじいちゃん一人に10人は超える子ども達の相手は大変だろう。