最終的には、まぁ、幼馴染にしか見せない、黒王子の何かがあるんだろうな、と勝手に思うのだった。
『……放課後、生徒会室に来い。』
――は?
ようやく口を開いたと思ったら、黒王子は相変わらずの命令口調でそう言っただけ。
それだけだ、とでも言いたげにこの場を立ち去ろうとする黒王子を、咄嗟に引き止める。
『…何だよ。』
振り返った黒王子は、相変わらずの不機嫌顔で。
いやいやいや、"何だよ"は、私のセリフなんですけどっ…!?
「いや、何で、私が生徒会室に?あそこは生徒会役員しか」
『来れば分かる。』
"入れないのでは?"という言葉を遮られて、威圧された。
拒否できないような空気を醸し出す黒王子に唖然としていると、さらに彼はこう告げた。
『――昨日の件で、俺のスマホの弁償したと思うなよ?まだお前を離す気はねぇから。』
ニヤリ、とイタズラな微笑みを浮かべた黒王子は、さっさと私に背を向けて、雑踏の中に消えて行った。
――…ま、マジかよ…。
あまりの衝撃に、ビシリ、と固まってしまった私は、しばらくその場から動けなかったのは、言うまでもない。

