「…それは、まぁ。あんな前面に好き好きオーラを出されたら、誰でもわかるよ。」
あれは、自然とこぼれている感じじゃない。
"故意に"、出してるんだ。
私は黒王子が好きだと、だから邪魔しないで、と。
――女って怖い。…いや、河上さんが特殊なだけ？
『だったら、その先もわかるでしょ？』
「は？」
『遥が黒王子を好きになったら、自然と河上さんがライバルになるってことをよ！！』
「……はぁっ！？」
何で私が！！
明日香に言われて、第一声はこの一言。
どうして私が黒王子"なんか"を好きになるのか。
私の声に周りが若干引き始めていることなんて、今は気にしていられない。
本当に本当に、明日香の方がバカなんじゃないかと思った瞬間だった。
