家へと向かう私の前を歩くのは、仲良く手を繋ぎながら会話を弾ませる少女とその母親。
少女は、よちよちと不安定な足取りで、母親の横を必死に歩いている。
そんな少女の姿を見て、嫌悪感を覚える奴はそうそういないだろう。


__『小さい頃は、可愛かった』

そんなの誰でもそうだと思う。
私だってそうだった。
身長も小さくて、泣き虫で、甘えん坊で。
だがそんもの、所詮は遠い昔の思い出にすぎなくて。

今となっては、『無愛想』などと。
昔の面影など跡形もない。

人がいつ、何処で、どう変わるかなんて、分からないものなのだ。