今度は口から出かかっている言葉を躊躇しなかった。
『なぜって、翔子さんが好きだからですよ。』
翔子は顔を赤らめながら、達也の差し出す手を握った。達也が連れ出してくれる先へ、ともに出て行こうと思った。
突然、翔子の目の前に埠頭の岸壁が現れた。その先は海だ。躊躇せず翔子は白バイの前輪を上げると、リアを岸壁のブロックに当て、海に向ってジャンプした。重い白バイも翔子の手にかかれば羽根を持った鳥のようだ。白バイは翔子とともに美しい弧を描き海面に着水した。間髪いれず達也もバイクで海へダイブする。爆発はそこで起きた。
海中ではあったが爆圧で翔子の身体がはじけ飛ぶ。爆心に遠かった分、達也のダメージは少なかった。見ると翔子が爆圧で気を失ったのか海中をゆっくり沈んでいく。達也はメットを脱ぎ捨て、急いで翔子のもとに泳ぎ寄ると身体を抱えて埠頭のブロックに引き上げた。
翔子は海中で気を失って海水を飲んで心肺が停止している。しかも嘔吐、痙攣が始まり眼の瞳孔が収縮している。爆発で飛ばされたソマンを直接肌に受けたのだろう。最悪の状態だ。達也は白衣のポケットからPAMを出すとデニムのズボンの上から、翔子の足の付け根の動脈をめがけて注射針を突き刺した。翔子の赤いメットを着脱し口に溢れる汚物を、直接自分の口で吸い出す。そして、翔子の気道を確保すると心肺蘇生を開始した。
やばい、自分もソマンを浴びたらしい。鼻水が出て、呼吸が苦しくなってきた。達也はもうひとつのPAMを取りだすと、自分の腕に乱暴に突き刺す。そしてまた翔子の心肺蘇生を開始した。
「翔子、戻ってこい!戻って来るんだ!…俺が引きもどしてやるっ!」
達也は叫んだ。そしてPANの注射針を腕につき刺したまま、翔子への人工呼吸と胸骨圧迫を絶え間なく続けた。やがて、けたたましいサイレンと赤いライトの点滅とともに、おびただしいパトカーと消防車が集まってきて、達也と翔子の周りを取り囲んだ。
『なぜって、翔子さんが好きだからですよ。』
翔子は顔を赤らめながら、達也の差し出す手を握った。達也が連れ出してくれる先へ、ともに出て行こうと思った。
突然、翔子の目の前に埠頭の岸壁が現れた。その先は海だ。躊躇せず翔子は白バイの前輪を上げると、リアを岸壁のブロックに当て、海に向ってジャンプした。重い白バイも翔子の手にかかれば羽根を持った鳥のようだ。白バイは翔子とともに美しい弧を描き海面に着水した。間髪いれず達也もバイクで海へダイブする。爆発はそこで起きた。
海中ではあったが爆圧で翔子の身体がはじけ飛ぶ。爆心に遠かった分、達也のダメージは少なかった。見ると翔子が爆圧で気を失ったのか海中をゆっくり沈んでいく。達也はメットを脱ぎ捨て、急いで翔子のもとに泳ぎ寄ると身体を抱えて埠頭のブロックに引き上げた。
翔子は海中で気を失って海水を飲んで心肺が停止している。しかも嘔吐、痙攣が始まり眼の瞳孔が収縮している。爆発で飛ばされたソマンを直接肌に受けたのだろう。最悪の状態だ。達也は白衣のポケットからPAMを出すとデニムのズボンの上から、翔子の足の付け根の動脈をめがけて注射針を突き刺した。翔子の赤いメットを着脱し口に溢れる汚物を、直接自分の口で吸い出す。そして、翔子の気道を確保すると心肺蘇生を開始した。
やばい、自分もソマンを浴びたらしい。鼻水が出て、呼吸が苦しくなってきた。達也はもうひとつのPAMを取りだすと、自分の腕に乱暴に突き刺す。そしてまた翔子の心肺蘇生を開始した。
「翔子、戻ってこい!戻って来るんだ!…俺が引きもどしてやるっ!」
達也は叫んだ。そしてPANの注射針を腕につき刺したまま、翔子への人工呼吸と胸骨圧迫を絶え間なく続けた。やがて、けたたましいサイレンと赤いライトの点滅とともに、おびただしいパトカーと消防車が集まってきて、達也と翔子の周りを取り囲んだ。



