「しかし、残念ながら自分は全く駄目です。やっぱり身の丈って大事ですから。」
「どういうことです?」
哲平はナイフとフォークを投げ出すと、両手の手のひらを上に向けてギブアップの仕草を見せた。
「ミカさんにはこんなレストランでも物おじすることなく、堂々とオーダーができるような、知的で上品な男性が相応しいです。」
その言葉を聞いて、ミカがいきなりナイフとフォークをテーブルに叩きつけた。突然何に怒りだしたのかと、哲平はミカの顔を覗き込んだが、予想に反してミカの顔は笑っていた。
「2次会に行きましょう。」
「2次会って…まだ食べ終わってないじゃないですか。」
「いいから行きましょう。」
哲平はミカに手を引かれてレストランから出た。
「どこへ?」
「今度は桐谷さんが好きなところへ。何処でも行きますから。」
「でも、タクシーとバイクじゃ…。」
「桐谷さんのバイクに乗せてって下さい。」
「えっ、でも…メットがありませんよ。」
ミカは、先程のレストランに少女走りで戻ると、安物のヘルメットを被って戻ってきた。
「大丈夫です。借りてきました。」
「そんな安物じゃ…。」
哲平は仕方なく、自分のヘルメットをミカにかぶせると、安物を自分の頭に乗せバイクにまたがった。
哲平の長い脚はハーレー・ダビットソンによく似合う。もとよりミカはこれから自分が乗るバイクはどんな価値のあるものか知る由もない。ただ、久しぶりに男を見てかっこいいと感じた。一方哲平は、自分のバイクに初めて乗る女が、翔子でなくミカであることに多少の抵抗はあったが、ミカの柔らかい身体と香りを背中に感じたとたん、そんなことどうでもいいと思うようになっていた。
哲平とミカを乗せたハーレーは、野太いエンジン音を立てて走り出した。
「キャーッ。キャーッ。」
もちろんバイクなんか初めて乗ったミカは、車線を変更する度に叫び声を上げた。風に膨らむスカートが気になったが、それを手繰り寄せる余裕などない。哲平は、そんなミカにまったく無頓着だ。しかし、哲平の身体にしがみつく腕と膝は、しっかりと彼の脇と肘でホールドしてくれている。なるほど、ミカの安全についでだけは、気遣ってくれているのだ。
「どういうことです?」
哲平はナイフとフォークを投げ出すと、両手の手のひらを上に向けてギブアップの仕草を見せた。
「ミカさんにはこんなレストランでも物おじすることなく、堂々とオーダーができるような、知的で上品な男性が相応しいです。」
その言葉を聞いて、ミカがいきなりナイフとフォークをテーブルに叩きつけた。突然何に怒りだしたのかと、哲平はミカの顔を覗き込んだが、予想に反してミカの顔は笑っていた。
「2次会に行きましょう。」
「2次会って…まだ食べ終わってないじゃないですか。」
「いいから行きましょう。」
哲平はミカに手を引かれてレストランから出た。
「どこへ?」
「今度は桐谷さんが好きなところへ。何処でも行きますから。」
「でも、タクシーとバイクじゃ…。」
「桐谷さんのバイクに乗せてって下さい。」
「えっ、でも…メットがありませんよ。」
ミカは、先程のレストランに少女走りで戻ると、安物のヘルメットを被って戻ってきた。
「大丈夫です。借りてきました。」
「そんな安物じゃ…。」
哲平は仕方なく、自分のヘルメットをミカにかぶせると、安物を自分の頭に乗せバイクにまたがった。
哲平の長い脚はハーレー・ダビットソンによく似合う。もとよりミカはこれから自分が乗るバイクはどんな価値のあるものか知る由もない。ただ、久しぶりに男を見てかっこいいと感じた。一方哲平は、自分のバイクに初めて乗る女が、翔子でなくミカであることに多少の抵抗はあったが、ミカの柔らかい身体と香りを背中に感じたとたん、そんなことどうでもいいと思うようになっていた。
哲平とミカを乗せたハーレーは、野太いエンジン音を立てて走り出した。
「キャーッ。キャーッ。」
もちろんバイクなんか初めて乗ったミカは、車線を変更する度に叫び声を上げた。風に膨らむスカートが気になったが、それを手繰り寄せる余裕などない。哲平は、そんなミカにまったく無頓着だ。しかし、哲平の身体にしがみつく腕と膝は、しっかりと彼の脇と肘でホールドしてくれている。なるほど、ミカの安全についでだけは、気遣ってくれているのだ。



