「遺体のないお葬式だったから、父が辛そうでね…。ある日ニュースで見たの。津波で被災地から流出した瓦礫のうち、約150万トンが今も太平洋上を漂流しているって言うじゃない。これだけ時がたてば、瓦礫だけでなく、犠牲者の遺骨や遺品が北米の西海岸に流れ着く可能性もある。それで思ったのよ。もしかしたらアメリカ大陸の太平洋岸をくまなく走ったら、もしかしたら兄ちゃんの遺品でも流れ着いてるんじゃないかって。」
「翔子さん、本気で言ってるんですか?」
翔子の答えはなかった。しばらく返答を待っていた達也だったが、諦めて小さくつぶやくような声で言った。
「翔子さん、おやすみなさい。」
それらからふたりはもうしゃべることはなかった。
翔子は相変わらず寝つかれなかった。胸に秘めていたはずのことを、なんで達也に話してしまったのかと、自己嫌悪に陥って悶々としていた。すると、突然達也の腕が翔子の身体に被さって来た。
『こいつ殺してやる。』
物凄い形相で振り向くと、意外なことに達也はすやすやと寝息を立てている。え、単に寝相が悪いだけなの?翔子が戸惑っている間にも、身は寄せて来るし、足は掛けてくるし、翔子を抱き枕と間違えているような寝姿だ。
しばらく動かずに自分の頬にあたる達也の寝息を感じていたら、不思議と翔子も眠たくなってきた。
『こいつに抱かれると、へんな睡眠効果があるな…。』
翔子は次第に柔らかな眠りの園に入っていた。そして、悪夢も見ることなく、朝までぐっすりと眠った。
翌朝、翔子が目を覚ますと、雨も上がり明るくさわやかな日差しが部屋に注いでいた。見ると達也の布団はすでにたたまれている。達也は目覚めた時、自分のどんな寝姿を見たのだろう。翔子は気になりながらも、手ぐしで髪を整えて居間へ出ていった。
「おはようございます。」
「翔子さん、本気で言ってるんですか?」
翔子の答えはなかった。しばらく返答を待っていた達也だったが、諦めて小さくつぶやくような声で言った。
「翔子さん、おやすみなさい。」
それらからふたりはもうしゃべることはなかった。
翔子は相変わらず寝つかれなかった。胸に秘めていたはずのことを、なんで達也に話してしまったのかと、自己嫌悪に陥って悶々としていた。すると、突然達也の腕が翔子の身体に被さって来た。
『こいつ殺してやる。』
物凄い形相で振り向くと、意外なことに達也はすやすやと寝息を立てている。え、単に寝相が悪いだけなの?翔子が戸惑っている間にも、身は寄せて来るし、足は掛けてくるし、翔子を抱き枕と間違えているような寝姿だ。
しばらく動かずに自分の頬にあたる達也の寝息を感じていたら、不思議と翔子も眠たくなってきた。
『こいつに抱かれると、へんな睡眠効果があるな…。』
翔子は次第に柔らかな眠りの園に入っていた。そして、悪夢も見ることなく、朝までぐっすりと眠った。
翌朝、翔子が目を覚ますと、雨も上がり明るくさわやかな日差しが部屋に注いでいた。見ると達也の布団はすでにたたまれている。達也は目覚めた時、自分のどんな寝姿を見たのだろう。翔子は気になりながらも、手ぐしで髪を整えて居間へ出ていった。
「おはようございます。」



