「私が知るわけないでしょ。お祖父ちゃんとお祖母ちゃんに聞きなさいよ。」
「しかし…。」
「しかしもなにもないわよ。だいたい酔い潰れてたのになんで起きるの。」
「自分は、酔うのも早いけど醒めるのも早いんです。」
「本当に厄介な奴だわ…。」
「なぜそう言われるのか、なんか納得がいきませんが、もうこんな時間ですから布団に入って寝ましょうよ。」
「嫌よ。」
「安心してくださいよ。自分は何もしませんから。夜通し外気にあたっていると、身体に毒ですよ。」
黙って動かない翔子。
「なんだったら、自分を縛ってもいいですから…。」
翔子の身体を心配して必死に言い張る達也の瞳を見て、彼女もようやく腰を上げた。
「いい、そこから1センチでも私に近づいたら、殺すわよ。」
翔子は達也に背を向けて布団を被った。
「翔子さんの怖さはわかってますよ…。」
しばらくふたりは黙って寝る努力をしていたようだが、やはりお互いの寝息が聞こえるとそうもいかないようだ。
「翔子さん…翔子さん。寝ました?」
「うるさいわね、何よ。」
「まだ寝てないんだ…よかった…。」
「だから、何?」
翔子は背を向けたまま達也に詰問する。
「今日お祖母ちゃんが作ってくれた夕飯美味しかったですね。」
「そうね…。」
「でも自分は、昼に頂いたおにぎりも凄く美味しかったと思いました。」
「そう…。」
「翔子さんも、料理が上手なんだぁ。」
「おにぎりで、料理が上手って言われてもねぇ…。」
「結構家庭的なんですね。」
「叔母ちゃんの力は借りたけど、母が亡くなってから、いちおう家のことはやっていたからね。」
「でも、いつも不思議に思っていることがあるんですよ。お兄さんがバイクで亡くなっているのに、ひとり娘である翔子さんがバイクを乗ることを、よくお父さんが許してくれますね。」
「兄ちゃんがバイクで死んだって、誰が言ったの?」
「えっ、違うんですか?」
「兄ちゃんはビル工事の仕事で東北の現場に応援に行っていてね。あの震災で、津波に呑まれてしまったの。」
「…ごめんなさい変なことお聞きして。」
翔子は、仰向けになってうっすらと見える天井を眺めた。
「しかし…。」
「しかしもなにもないわよ。だいたい酔い潰れてたのになんで起きるの。」
「自分は、酔うのも早いけど醒めるのも早いんです。」
「本当に厄介な奴だわ…。」
「なぜそう言われるのか、なんか納得がいきませんが、もうこんな時間ですから布団に入って寝ましょうよ。」
「嫌よ。」
「安心してくださいよ。自分は何もしませんから。夜通し外気にあたっていると、身体に毒ですよ。」
黙って動かない翔子。
「なんだったら、自分を縛ってもいいですから…。」
翔子の身体を心配して必死に言い張る達也の瞳を見て、彼女もようやく腰を上げた。
「いい、そこから1センチでも私に近づいたら、殺すわよ。」
翔子は達也に背を向けて布団を被った。
「翔子さんの怖さはわかってますよ…。」
しばらくふたりは黙って寝る努力をしていたようだが、やはりお互いの寝息が聞こえるとそうもいかないようだ。
「翔子さん…翔子さん。寝ました?」
「うるさいわね、何よ。」
「まだ寝てないんだ…よかった…。」
「だから、何?」
翔子は背を向けたまま達也に詰問する。
「今日お祖母ちゃんが作ってくれた夕飯美味しかったですね。」
「そうね…。」
「でも自分は、昼に頂いたおにぎりも凄く美味しかったと思いました。」
「そう…。」
「翔子さんも、料理が上手なんだぁ。」
「おにぎりで、料理が上手って言われてもねぇ…。」
「結構家庭的なんですね。」
「叔母ちゃんの力は借りたけど、母が亡くなってから、いちおう家のことはやっていたからね。」
「でも、いつも不思議に思っていることがあるんですよ。お兄さんがバイクで亡くなっているのに、ひとり娘である翔子さんがバイクを乗ることを、よくお父さんが許してくれますね。」
「兄ちゃんがバイクで死んだって、誰が言ったの?」
「えっ、違うんですか?」
「兄ちゃんはビル工事の仕事で東北の現場に応援に行っていてね。あの震災で、津波に呑まれてしまったの。」
「…ごめんなさい変なことお聞きして。」
翔子は、仰向けになってうっすらと見える天井を眺めた。



